保守対応効率化のためのアウェアネス支援システム

研究背景:

ミッションクリティカルなシステムで利用されているオープンソースソフトウェア(OSS) の不具合は,開発者によって迅速に修正されることが望まれる.しかし,多くの開発者を抱えるOSS プロジェクトでは,言語や文化,習慣などが異なる世界中の不特定多数のボランティア集団によって開発を進められているため,管理者が保守作業の適任者を特定することが容易ではなく,不具合が修正されるまでの時間が長くなってしまう問題がある.

 

ACTION:

本研究で作成したACTION(Awareness Communication Tool for Interactive Open Negotiation)は,(a)保守対象のソースコードの開発に関与した経験のある開発者,(b)開発者の活動地域と開発者の活動時間,を直観的に把握できるよう支援することができる.システムの有用性を検証するために比較実験をおこなった結果,ACTION を利用することで,開発者の活動時間に沿ったコミュニケーションが可能になることを確認した.また,従来システムと比較してACTION はOSS 開発者のコミュニケーションを効率化できることを確かめた.

ACTIONの全体図
アクションの全体図

 

  • Folder/File View

 

ツリー構造化されたフォルダ・ファイルの一覧を示す.ファイルをクリックすることで,イベントが起こり,ファイルを検索キーとしたクエリがデータベースに送られる.

 

  • Module History View

 

ファイルの変更を行った開発者,変更時刻をグラフに示す.横軸はタイムゾーン,縦軸は日付で,1プロットは開発者1名に該当する.

 

  • Active Time View

 

開発者のメール送信数を用いて,活動頻度を表すヒストグラムを表す.横軸は時刻,縦軸はメールの送信数である.

 

  • Commit History View

 

開発者の開発履歴をリスト化して示す。